金城 宙矛/須藤 祥太郎/山川亜貴

2025.11.01.sat-11.09.sun
(closed.11.05.wed)
12:00-17:00
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本展は、沖縄のギャラリーショップ〈GARB DOMINGO〉オーナー・藤田俊次のキュレーションによる、沖縄出身の若手作家三名による展示です。
三者それぞれの視点と手法によって、沖縄の大地から採取された原土を素材に、土の持つ素朴な力と個性に向き合いながら、新たな感覚で作品を制作しています。沖縄の原土は、独特の質感と発色を備え、焼成の過程で多様な変化を見せます。その特性を活かしながら、作家たちは土を単なる素材としてではなく、表現の原点として見つめ直しています。
タイトル〈Primordia(原初)〉には、陶芸の出発点である“土”をあらためて見つめ、次代を担う若手作家たちの眼差しを通して、その未来への可能性を探るという意図が込められています。
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金城 宙矛 Hiromu Kinjo
赤土やガジュマルの灰など昔ながらの素材にフォーカスし、薪窯の火のあたり方や灰のかぶり方をできる限りコントロールしながらも、偶然性を呼び込むような制作を続けている。また、現代生活の中でどのように存在価値を生み出していけるかを探求し、どこか愛嬌のあるフォルムと素朴さが、食卓に心地よい余韻と温もりを生み出している。
1989年沖縄生まれ。大嶺實清に師事後、独立。
須藤 祥太郎 Shotaro Sudo
原土に見出す美しさや強さを“用の美”として人の手に届くものへ昇華させる。人が本来持つ手の感覚を大切にし、器であればその飲み物がどのように味わいとして伝わるかに着目。また、原土が持つ魅了される表情をいかに引き出すかが制作の中心だ。手のひらに収まる作品から、手のひらから解放された世界にも期待したい。
1999年沖縄生まれ。今村能章のアシスタント業務と並行し、作品を制作。
山川 亜貴 Aki Yamakawa
自然の脅威に囲まれるヤンバルで、人間の営みや感情に着目し制作。記憶の中に宿る表情や感情、老婆の姿、死を取り巻く文化や儀式──普段は意識しないこれらの瞬間を感じ、死そのものではなく、生から死への繋がりを意識したり、人として自然と繋がる接点を具現化したりと、これまでの沖縄の世界観を引き継ぎながらも、未来へと繋げるオブジェを制作。
1993年沖縄生まれ。小野哲平に師事後、独立。
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キュレーション
藤田俊次 Shunji Fujita (GARB DOMINGO)
広告や建築デザイン、プロジェクトマネジメントに携わったのち、2009年7月沖縄へ拠点を移す。
2009年10月 GARB DOMINGO(NAHA)
沖縄をはじめ国内外の作家の器、工芸、アート作品などのセレクトショップをオープン
2023年7月 MARÉE (NAGO)
水をテーマにしたギャラリーをオープン。
東京生まれ。